お盆休みも終わってしまい、仕事モードへの切り替えは皆様済みましたでしょうか?
連載記事「知って得するインソールの豆知識」は第5回ということで、そろそろ折り返し地点に差しかかってきました。
今回はちょっと趣向を変えまして、アシートおよび関連会社の営業さんに「実証テスト」ということで、アシートの使用テストをしてもらいました。
テスト内容はアシートの使用による劣化を見る「耐久テスト」と、水分(汗)を吸った量を簡易的に測定する「吸汗量チェック」の2つです。
「耐久テスト」の方は、アシートの使用上の注意として「毎日交換」(Oタイプは2~3日で交換)という大事な注意点があるのですが、百聞は一見にしかずということで、それ以上使った場合にどうなるのか、写真でお見せしようというわけです。
「吸汗量チェック」の方は簡易的ではありますが汗を吸った量を数値化してみようという試みとなります。
※なおこれらのテストは限られた条件における特定のサンプルによるテスト結果であり、内容を保証できるものではありませんので、その点ご了承下さい。
●耐久テストその1 ~アシート営業 20代・女性~
まずこちらは弊社の外回り担当営業(20代・女性)の結果となります。
スマホの万歩計アプリによる測定結果では、日によってばらつきがあるものの客先訪問(主に都内公共交通機関利用)によって平均13,100歩/日程度歩行し、距離にすると約8km~10km程度歩いている営業さんです。一貫して同じ靴を使用して頂いて、ヒール高は約3cmとなります。


Bタイプを見ますと、初日でつま先、かかとの広い面積に渡ってけっこうな面積のナミナミ(段)が潰れていることがわかります。2日目~3日目でさらに潰れは顕著になり広範囲に及びます。裏面は二日目で右足親指のあたりに黒っぽい汚れのようなものが点在するようになり、荒れています。これは靴が黒っぽい物であったため、靴の繊維などが擦れたものと思われます。3日目は段の状態を見る限り、実物はクタクタで、片手で持つとどこからか切れる(崩壊する)状態だと思われます。3日目の裏面は左右共に土踏まずのあたりから切れ目が走っています。
やはりBタイプの「毎日交換」は体重の軽い女性でも必須と言えるのではないでしょうか。

次にKタイプですが、こちらはBタイプと比較するとかなりいい状態を保っていると言えます。3日目の段の潰れ具合を見てもBタイプの初日以下のため、頑張ればもう1日いけるかもしれませんね。

最後にOタイプですが、こちらは無理を言って5日間履いてもらいました。初日に投入(初期ならし)に失敗したようで、いきなり折れ目がついてしまっています(右足つま先とかかと、左足中央部)。つま先はその後平坦になりましたが、折れた部分は日を追うごとに状態が悪化し、そこから切れ・破れが発生しているのがよく分かります。またこの営業さんの特徴としては表面の右足外側に顕著なスレがあるのが分かります。この状況から歩行・重心のかかり方を想像することができます。3日目では裏の右足かかとの切れ・破れ具合がかなり悪化し、靴内には結構な量の紙屑が発生しているものと思われます。よってこの状況ではOタイプでも2日ないし3日が限度のようです。
(補足)上記ではKタイプよりOタイプの消耗が激しくなっていますが、この週は店頭でのアシートのデモ販売があったため、普段より過酷な使用状況であったということです。一般的にはKタイプよりOタイプの方が長持ちします。
●耐久テストその2 ~アシート営業 30代・男性~
次に男性の営業マンのテスト結果を見てみましょう。上記女性テスターと同じく都内近郊の外回りの営業さんです(公共交通機関利用)。万歩計の数値もほぼ同等で平均約12,500歩/日ほど、ただし体重はかなり違うため、使用状況としては女性よりかなり過酷と言えます。


まずKタイプを見てみましょう。
こちらは裏面の切れ・破れを見て分かるように、初日でかなりの消耗、というより損傷が現れています。表面の段の潰れは初日は指先などに集中していますが、3日目では土踏まず以外のほぼ全域で潰れているのが分かります。これではアシートの特徴の一つの段(ナミナミ)によるエアダクト効果は望めませんので、完全に寿命を全うしたと言えるでしょう。裏面の状態の悪さから、交換時期はズバリ1日未満です。カバンの中に予備のアシートを入れておき、昼休みなどに交換すべきでしょう。

次にOタイプですが、こちらも消耗度合はほぼKタイプと同様で、初日に裏面にかなりのスレ・破損が現れていて、Oタイプでもこの営業さんの使用状況には耐えられないようです。本人曰く普段使っているのもOタイプで半日で交換しているということなので、納得です。
なおBタイプのテスト結果がないのは上記のこともあり、かなりの損傷(靴下への繊維の付着等)が予想されるため割愛させていただきました。男性の外回りの営業さんの靴内の状況はかなり過酷のようですね。なお上記テストは女性・男性どちらも7月末から8月頭にかけての記録的猛暑の中で行われたことも付け加えておきます。
●吸汗量チェック
次に限界テストではありませんが、アシートの5大機能「脱臭・吸汗・刺激・抗菌※・使い捨て」のうちの一つ、吸汗についてチェックしてみたいと思います。
吸汗量の測定は新品状態(使用前)のアシートの重量と、使用後のアシートの重量を精密に測定し、引き算すれば汗を吸って重くなった分が算出されるというものです。測定には1/100グラムまで測定可能なデジタル秤量計を使用しました。
※抗菌はOタイプのみとなります。
●吸汗量その1 ~靴下履きと裸足での違い~
ここではまず靴下を履いている場合と履いていない場合(裸足)で、吸汗に関してどのような違いが出てくるのかを見てみましょう。男性・女性問わず、裸足でアシートを使用して頂いているユーザー様が一定数いるのですが、何か違いがあるとすれば興味深いところですね。またバレエなどの特定のスポーツなどでも裸足使用の需要があるようです。
このグラフは延べ3名の関連会社(段ボール製造メーカー)の営業マンにアシートを使用して1日営業活動してもらい、活動前(朝)と帰社後(夕方)にアシートの重量を測りました。なお片方の足はいつも通り靴下を履き、もう片方の足は裸足(!)で営業活動をしてもらいました。これで条件はほぼ同等に測定可能ということになります。
被験者は20代男性2名と40代男性1名です。使用したアシートはどちらも標準的な硬さのKタイプとなります。結果は40代男性の吸汗量が20代男性に比べて半分以下という点が目立ちますが、こちらは個人差や新陳代謝の違いとして、肝心の靴下履きと裸足の違いについては3名ともそれほど大きな違いがないようです。1名は裸足の方が吸汗量が多く、2名は靴下履きの方が多い結果となりましたが、どちらも圧倒的な差ではなさそうです。
もう少し統計的なデータを取りたいところですが、片足が裸足というスタイルでの営業活動もそれほど長期間続けられないため、残念ながら裸足でのテストはここまでとなります。ご了承ください。
●吸汗量その2 ~アシートの吸汗機能の高さ~
次にアシート自慢の紙による吸汗機能の高さを実証するべく、僭越ながら他社様の中敷きとの比較テストをしてみました。手元にあった他社5銘柄をそれぞれ1日限りのテストですので、断定的なことは言えませんが比較してみましょう。なお他社様のものはどれも化成品(ファブリックタイプ)となります。
測定期間は平日の1週間(5日間)を左足にアシートKタイプ(毎日交換)、右足に他社製中敷き(毎日他銘柄に交換)を使用して営業活動を行うというもので、毎日朝と夕方に重量測定をしてもらい、吸汗量を算出しています。被験者は前出の段ボールメーカー営業20代男性となります。
グラフを見ますと、概ねアシートの吸汗量が勝っていて、5日間の平均吸汗量は約1.58グラムとなります。他社5銘柄の平均は約1.03グラムですので、約5割増しの量の汗をアシートは吸収できたということが言えます。なおアシートが唯一下回る4日目の他社様中敷きは、他4銘柄が厚み約3~4mm程度であるところ、6mm程度の厚さですので、体積が大きい分吸汗性能も高かったものと推測されます。アシートは厚さ約1.5mmでしかも中空構造なので、4日目もアシートは健闘したと言っていいのではないでしょうか。
ちなみに4日目は中敷きの厚みが左足1.5mmと右足6mmで結構な違いがあり、単純な高さもそうですが、靴内(甲部分)が狭くなり歩きにくかったと営業さんは言っていました。靴サイズを大きくせず、普段通りのサイズのまま中敷きを使えるということもアシートのメリットの一つとなります。
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以上、アシートの実証テストをお送りしましたが、いかがでしたでしょうか。普段見慣れている「毎日交換」「使い捨て」「吸汗機能」なども写真と数字で改めて示されるとよく理解できるのではないでしょうか。次回は9月ということで、一気に秋らしくいきたいと思っていますので、お楽しみに。