Vol.9 冷え性と冬のインソール

 

年の瀬も本格的になってきまして、皆様の会社、ご家庭も師走ムードなのではないでしょうか。
担当のいる事業所では段ボール箱の製造で連日フル稼働です。忙しいとはいえ仕事があるということは大変ありがたいことですね!

さて「知って得するインソールの豆知識」も本年最終号となりまして、冬本番になりつつあるこの時期ですので、多くの女性がお悩みの「冷え性」についてお送りしたいと思います。またアシート(インソール)が冷え性に果たす役割などについてもお伝えできたらと思います。

 

●冷え性とは

まず冷え性とは、体の一部、特に末端が継続的に寒く感じる症状ということなのですが、冷え性と似た症状の「低体温症」が深部体温含め体全体の体温が下がることに比べると、「部分的に寒い」この点が冷え性の大きな特徴と言えます。

原因としては様々なものがあるようですが、直接的には冷えの部分の血行不良で体温が行き渡っていないということが挙げられ、その要因としてストレス等の様々なものがあるようです。血流のコントロールは脳(自律神経系)で行われているため、メンタルの状態によりコントロールに支障をきたすということですね。

血行不良=血液の流れが悪い、となれば体の表面に近い部分は熱を空気中に放散するだけで、新たな熱が運ばれてきません。そうなるとその部分が冷えていくというのは確かに理解できます。

 

●「冷え」以外の弊害

ちなみに冷え性(血行不良)ということは、冷えること以外にも様々な不具合が起きてしまいます。血液は体温以外にも酸素や栄養を体の隅々に届け(赤血球の働き)、また二酸化炭素や老廃物を回収する(血漿の働き)という大きな役割があります。また体に侵入してきたバイ菌などの異物を攻撃(白血球の働き)してくれるのも他でもない血液なのです。

このような働きが弱まってしまえば、単なる「冷え」に留まらず、様々な弊害が出ます。免疫力が弱まるため、できものや腫瘍などができやすくなるという怖い話もあるんですね。

 

●血行不良の対策

ではどのような対策があるのでしょうか。一般的にはアンケート結果にあるように様々な対策があり、皆様ご自分に合った対策を行っているようです。その中で一つ確からしいのは、血液の停滞を解消するには「筋肉をつけると良い」ということのようです。

筋肉は熱を発生し、また血液は多くが筋肉を通り、筋肉のポンプ作用によって血の巡りが良くなります。

筋肉のポンプ作用とは、通常心臓で発生した血圧はそれだけでは体全体に血を行き渡らせることが難しく、筋肉の収縮による補助によって静脈の血を心臓に戻しているということだそうです(下の模式図参照)。

 

静脈弁模式図
静脈弁模式図

 

図の上が弁のないただのホース、下が弁のあるホースです。ホースを圧縮すると弁がある方では水の移動に方向性があり、片側は水がせき止められる様子が分かると思います。このように静脈には弁(静脈弁)があるため、ただ単に静脈を圧縮するだけできちんと心臓方向に戻る血流が生まれるということなのです。このことからふくらはぎの筋肉は第2の心臓などと呼ばれたりします。

下のアンケート結果でもわかるように冷える部分というのは「足」が多いため、足の中でも心臓から遠く重力的にも不利なふくらはぎの筋肉を鍛えることが重要になってきます。

最近、貧乏ゆすりは健康につながるという説がありますが、筋肉のポンプ作用を活発にし、冷え解消にも効果的ではないでしょうか。

 

●冷え性に関するアンケート

では予備知識はこの程度にしまして、冷え性に関するアンケートを見ていきましょう。
今回は回答総数221名様となり、前回同様アンケート対象は一般の皆様となり、特にアシートユーザー様や冷え性で悩んでいる方に限定はしていません。

まずご自身が冷え性であるかどうか聞いてみた結果が下記となります。

 

あなたは冷え性ですか?
あなたは冷え性ですか?

 

冷え性ではないと断言できる方は全体の12%、27名に留まり、約9割近い方が冷え性であると答えています。さらにその中の3割近い方は冷え性で特に困っているということです。これは冷え性でない担当(男)からすると驚きの数字です。これほど多いのですね。

ちなみに便秘で悩んでいる日本人は約4割だそうです。

 

●体のどの部位が冷えるか

次に体のどこが冷えるのかをアンケートしてみました。これもまた少し興味深い結果となっています。
グラフ左から回答の多い順となりますが、160名が「足」を第一に挙げています。これは全体の73%にあたります。

次点の「手」が27名(12%)ということを考えると圧倒的です。ちなみに手は足よりも動かしていることが多いということも、手が冷え性で悩む人が少ない要因だそうです。確かにデスクワークだとしても手はそこそこ動いていますね。

 

体のどの部位が特に冷えますか?
体のどの部位が特に冷えますか?

 

●いつ冷えるか

ではいつ冷えるか、一日の時間帯別に複数回答可にて答えていただきました。
こちらはいたって自然?と言いますか、日中はガクンと票が少なく、朝・夜が冷えるという結果になりました。就寝している時間帯(0時~6時)では若干割合が低くなっているのは布団で温まっているということでしょうか。だとするともう少し低くてもいいと思いますが・・・

 

一日のうちでどの時間帯が冷えますか?(複数回答可)
一日のうちでどの時間帯が冷えますか?(複数回答可)

 

●冷え性の代表的な対策

次に冷え性に対して行っている対策を代表的なものをこちらで挙げて複数回答可にて選択していただきました。
これは結構な割合の方(45%)が1つだけ票を入れ、残りの55%の方は複数の対策を選択しました。

 

どのような対策をしていますか?(複数回答可)
どのような対策をしていますか?(複数回答可)

 

左から「保温・防寒」ということで、これは基本とも言え全得票数460票の3割を占めます。2位の「風呂につかる・足湯」というのは、かなり強制的?な対処で、短時間で効果も高いと思われます。

次のストレッチ・運動も割と多い回答数となっていて、75票と16%ほどの得票数となっています。さらに「食事に気を付ける」「靴にインソールを敷く」「ツボ押し」「漢方薬・通院等」と続きます。本格的に通院加療を行っている方はさすがに少ないようです(9名で全体の2%)。これはあまり重度の冷え性の方は少ないということだと思われます。

 

●効果的だった冷え性対策と効果の薄かった冷え性対策

次に自由記述で今まで試した冷え性対策の中で効果的だったもの、逆に効果の薄かったものについて教えていただきました。

効果的だったものは先ほど挙げた中にほとんど含まれていますが、下記のようなものもありました。

●効果的だった対策
「靴下の重ねばき」
「寝るときも靴下を履くこと」
「室内専用のスリッパ・靴下で頑張ってます^^」
「ヒートテックを着る」
「カイロを2個使う」
「デスクの足元にヒーターを置く」
「薄手の手袋をしながらPCをいじる」
「腹巻をする」
「ホットヨガ、夏でも冷たい飲み物は飲まない。体を冷やす食べ物はたべない」
「ヨモギ蒸し、岩盤浴」
「空腹にならないようにする」
「お風呂につかったあとにマッサージをして血行をよくする」
「首の裏を温めると良いと聞き、やってみるとすごく暖かかったです!」
「しょうが湯を飲んでから、すぐに布団の中に入ること」
「しょうがはちみつ湯などをコップ1杯飲むと身体の血行が良くなりぽかぽかする」

ヒートテックというワードも多かったのですが、靴下を重ねて履くというお答えがかなり多く全体の1割程度挙げられていました。履ける靴が限られるような気もしますが、かなり効果的なのですね。

次に効果が薄かったものを挙げて頂きましたが、これは効果的だった対策に挙げられたものを「効果が薄い」として挙げる方が多かったです。つまり個人差や相性というものがあり、先に挙げた対策が全ての方に効くわけではないということになります。下記に一例を紹介します。

●効果が薄かった対策
「手袋やひざかけ、靴下はその時だけだったので効果が感じられなかった」
「靴下の重ね履き」
「寝るときに靴下をはく」
「靴下。履いても中の足は冷たいままです」
「風呂と足湯はダメだった」
「足湯はしばらくは温かいが時間経過で冷えが増していく感じがします」
「保温剤を手に塗ること」
「着込みすぎると空気を通さず寒かったです」
「お風呂から上がってすぐに寝ないと結局湯冷めして寒い」
「漢方薬を試したが身体に合わなく止めた」
「食事だけでは効果が無かったと思います」
「しょうがを食べる」
「身体を温めるという食事」
「熱燗を飲む」
「温かい飲み物をとったりしましたが足は冷えたままでした」
「基本的に、どれも…靴下2枚履きしても冷えますね…」
「なにをしてもずーっと冷えてていつも足は紫色です!」
「これと言って効果の感じたものはない」
「どれもよく分からなかった」

どうでしょうか。上の効果的だった対策と似通っているのがお分かり頂けますでしょうか。
「着込みすぎると空気を通さず寒かった」というのは湿気がこもって水滴化してそれが体温を奪ってしまうということだと思われます。冬場等でも適度な通気性(透湿性)は必要ですね。

 

●アシートと冷え性

ここまでほぼアシートの話はありませんが、上の主な対策の中で「靴にインソールを敷く」を挙げている方が37名(全体の8%)いることを考えると、アシートとしても何かお役に立てるのではないかと考えます。

基本的にインソールで冷え性対策を行っているということは、地面からの冷え防止のためだと思いますが、その観点ではアシートは厚さが他のインソールに比較し薄く不利ではありますが、ナミナミの空気層が効果的に断熱効果を発揮しています。またナミナミが足裏を適度に刺激して足ツボ刺激・血行促進効果につながるものと考えています。

 

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以上冷え性についてでしたが、いかがでしたでしょうか。なお担当も今回初めて知ったのですが「冷え性」と「冷え症」の2通りの表記があって、場合により区別されているようです。本ブログでは一般的な「冷え性」の方を使わせていただきました。

次回年明け号ではインソールと季節との関係を取り上げてみたいと思います。お楽しみに。