Vol.60 紙の歴史

3月に入り、だいぶ温かい日も増えてきましたね。

来月には新生活がスタートする方も多いかと思います。

しっかり準備して良いスタートが切れるようにしたいですね!

さて、今回は「紙の歴史」について紹介致します。

それでは早速内容を見ていきましょう。

紙の無い時代

現在では書類や本などで文字の記録媒体として当たり前のようにある紙ですが、紙がない時代ではどのように文字などを伝えていたかというと「木の葉」や「樹皮」、「石」、「皮」などで身近で手に入りやすい材料に書き記していました。有名なものには下記のようなものがありました。

パピルス

古代エジプトで使われていたことで有名なパピルスは、パピルスという草の茎を薄く裂いて、縦・横に並べ圧力を加えて脱水し、乾燥させたものです。

粘土板

主にメソポタミアで使われていました。柔らかく湿った粘土を板状にし、葦(あし)の茎などでくさび形文字を記してから、乾燥させたり焼いたりして文書を保存しました。

羊皮紙

羊の皮などを、毛が抜けやすくするため液に漬けてから毛を削り取り、木枠に張って乾かし、表面を磨いたもの。主にヨーロッパで使われていました。

木簡・竹簡

古代中国で書写材料として使われていた木や竹でできた札(簡)のこと。紐などで何枚かを束ねて使うことが多かったそうです。日本でも、奈良の平城京跡などから木簡が発掘されています。

紙の発明

いつ頃紙が登場するかというと紀元前2世紀頃、中国で発明されたと考えられています。西暦105年頃に蔡倫(さいりん)という後漢時代の役人が行った製紙法の改良により、使いやすい実用的な紙がたくさん作られるようになったと言われています。

蔡倫が紙作りに使った材料は、 麻のボロきれや、樹皮などでした。

切り刻んだ材料(麻のぼろや樹皮)を洗い、灰汁で煮て繊維を取り出してから臼でひき、ふたたび水の中で繊維分散させ、枠に張った網(簀)で梳きます。網の上に薄く均一に残った繊維を、枠ごと乾燥させてはがし、紙としました。その後、絹の伝播(シルクロード)と同様に、西洋へと伝えられていきます。

 

日本における紙の歴史

610年 (推古18年)。高句麗の僧、曇徴(どんちょう)が墨とともに日本に製紙法を伝えたと言われています(しかし、それ以前に紙抄きが行われていたという説もあります)。

伝播当初、使われていた材料は「麻」でしたが、その後「コウゾ」や「ガンピ」などの植物も原料として使われるようになり、紙を抄く方法にも独自の改良が加えられ、日本独自の“和紙”として発展していくこととなります。

 

1872年(明治5年)には、日本で最初の製紙会社が創立され、1874年(明治7年)に操業を開始しています。こうして、日本の洋紙産業は文明開化とともにスタートしました。明治から大正にかけては、新聞・雑誌・書籍などに使われる紙の需要も拡大。アシートに使われる段ボールもこの頃に初めて日本で作られています。

文字を伝える事を中心に進化してきた紙が近代に入ると文字を伝える媒体としてだけでなく様々な用途で使われるようになり、その中の一つにアシートも含まれていて、今日も皆さまの足をムレなく快適にしているんですね。

さて今回の「知って得するインソールの豆知識」はいかがだったでしょうか。

次回は4月!新年度になっても「知って得するインソールの豆知識」をよろしくお願い致します。