お正月気分も終わり、本年度もあとわずかということで皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回の「知って得するインソールの豆知識」はアシートの通常製品を少し変更した試作品をテストしてみた結果をご紹介したいと思います。
長年ご好評頂いているアシートですが、多くの方から「そのままの製品を販売し続けてほしい」という声がある一方、細かな改良のご要望を頂くこともあります。
今回はその中でもアシートの履き心地や変形(折れ等)に関わっている波形の向きについて試作してみました。
●テスト内容
通常アシートは真横から見て波目が見えるようになっています。これを段ボール用語では横方向に段目が入っている等と表現します。
これを斜め(45度)段目にしたものと縦(90度)段目にしたものについて社内テスター3名に2日間履いてもらい、製品版アシートとの比較をしてみました。3名は主に都内を公共交通機関で移動している外回りの営業スタッフにつき使用状況はハードと言えます。
なお試作品は製品版のOタイプと同じ生地を使っていますので、比較もOタイプとの比較になります。使用した万歩計の数値は下記のようになっています。
●テスト結果(写真)
2日間装着してテストしてみた写真が下記となります。通常使用でもOタイプは1日程度での取替えが基本ですので、かなりの酷使と言えます。
●テスト結果(官能検査)
次に4つの指標、①履き心地、②すべり具合、③折れ、④耐久性(持ち)について3名各々評価してもらいました。
●● ①履き心地 ●●
●斜め45度段目●
女性スタッフA:サラッとした履き心地を感じ通常品より爽やかな感じがした。
男性スタッフB:特に違いは感じない。
男性スタッフC:特に違いは感じない。
●縦段目●
女性スタッフA:サラッとした履き心地を感じ、特に足裏に刺さるような気持ちいい感触。
男性スタッフB:特に違いは感じない。
男性スタッフC:特に違いは感じないが、履き始めに段目の間にかかとが挟まる感じがあった。
斜め・縦ともに概ね変わりがないということのようですが、女性スタッフは製品版より爽やかな感覚ということです。これは男性のビジネスシューズと違いヒール高があるのが関係しているのでしょうか。
●● ②すべり具合 ●●
●斜め45度段目●
女性スタッフA:少し滑りやすい。
男性スタッフB:靴の中で横に滑る感覚(遊ぶ感覚)が多少ある。歩行時からストップした際、特に感じた。
男性スタッフC:特に違いは感じない。
●縦段目●
女性スタッフA:かなり滑る。履いた直後から滑るのを感じ歩きづらかった。
男性スタッフB:通常品と比較し、滑りやすい為違和感があり。使用している内に靴前方にずれてくる(画像の通り、前方がずれにより丸みをおびている)。
男性スタッフC:靴を履くときにスルッと履けた。歩いているときは少し前に滑るような感覚を感じた。
これはどちらも滑りやすいということで、特に縦段目については想像通りかなり滑るようです。滑りやすいが故に靴に足を入れる際は相当履きやすいことを筆者も履いたところ体感しました。
●● ③折れ ●●
●斜め45度段目●
女性スタッフA:折れにくい。
男性スタッフB:特に違いは感じない。
男性スタッフC:足の付け根の下あたりの折れが通常アシートよりも大きく広がった。
●縦段目●
女性スタッフA:折れにくい。
男性スタッフB:折れやすい印象。
男性スタッフC:かかとを上げるかたちでしゃがんだ時にパキッと折れる音があった。
折れについては段ボールは段目方向によって折れやすさが変化するためやはり違いはあるようですが、縦段目のスタッフCのように音を立てて折れるというのは、おそらく履いた当初のまだアシートが湿気を吸収していない硬い状態でしゃがんだのではないでしょうか。しばらく使って適度に吸湿すると、アシートは段目に直角に曲げても折れずにしなって曲がってくれます。
●● ④耐久性(持ち) ●●
●斜め45度段目●
女性スタッフA:通常品よりも良く感じた。
男性スタッフB:段のツブレ具合等から持たない印象。1日で裏面のカスが出始めた。
男性スタッフC:折れた部分からの傷みが激しく、紙くずの発生が早い印象。
●縦段目●
女性スタッフA:あまり耐久性がない感じ。1日目で結構潰れた。
男性スタッフB:耐久性はない。段のツブレ具合や、破けが1日目で生じていた為。
男性スタッフC:しゃがんだ時に折れた為か、歩いているとそこから傷みが広がりやすく、紙くずの発生が多かった印象。
斜め段目については女性と男性で印象が違うようです。それ以外については概ね製品版より損傷が早く紙くずの発生が進みやすいようです。
●● ⑤総合評価 ●●
●斜め45度段目●
女性スタッフA:履き心地も悪くなく折れにくいのが良かった(通常品だとヒールを履いていると真中から折れて切れてしまうことがある)。
若干滑りやすく感じたので斜めの角度がもう少しゆるい方がいい気がした。
男性スタッフB:通常品と比べ、使用時の差はたいして感じられなかったが、使用後の裏面のカスの出方が通常品より激しい点が気になった(靴の中のカスを落とす際の量でも認識)。
男性スタッフC:履き心地においては通常アシートとあまり変わらない印象であったが、折れや紙くずは、発生しやすい。
●縦段目●
女性スタッフA:かなり滑る感じで歩きづらくヒールには向かない。またすぐに潰れてしまった印象がある。
男性スタッフB:靴の中で滑る事で同時にインソールも上下運動する為、通常品に比べ耐久性に差が生じるのではないかと思われる。傾斜のあるヒールなどは特に適さない印象。
男性スタッフC:段目の気持ち良さは通常アシートの方が感じることが出来た。縦の場合は靴の脱ぎ履きがしやすい。しゃがんだ際にはアシートが折れてしまうのでそこから傷みやすい気がした。
斜め段目については女性スタッフには好評のようです。男性スタッフには製品版と特に変わらない一方、損傷や紙くずの発生が早いという評価をもらいました。
縦段目については女性・男性ともにすべりが大きく不評のようです。男性スタッフCの挙げた靴を履きやすいというメリットは確かにあるため惜しいところです。
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以上、今回は段目方向の試作品をテストするということでお送りしましたがいかがでしたでしょうか。アシートではこれ以外にも様々な試作テストを繰り返しており、今後の製品へ活かしていきたいと考えています。
次回「知って得するインソールの豆知識」2018年2月号はアシートの販売実績などについてお送りする予定です。お楽しみに。